【配当の内訳】183銘柄のうち、配当の半分は上位10銘柄から来ていた

日本株183銘柄が、それぞれ配当をいくら生んでいるのかを試算しました。金額は非公開、構成比だけを公開します。結果は上位10銘柄で配当の46%。そして1株ずつ買った77銘柄が生む配当は、全体のわずか4.5%でした。値上がりでは1株保有が最強だったのに、配当では正反対の結果です。


配当が「どこから来ているか」を数えた

前回、NISA成長投資枠の日本株183銘柄について、評価損益率を集計しました。結果は、1株や数株だけ買った銘柄がいちばん成績が良いというものでした。

📖 前回の記事 → 日本株183銘柄の成績を数えた|1株ずつ買った銘柄がいちばん強かった

今回はその続きで、配当を見ます。

183銘柄が、それぞれ年間の配当をどれだけ生んでいるのか。その構成比を出しました。

先に結論を書くと、値上がりのときとは正反対の結果になりました。

【重要】これは実績ではなく試算です

先に、この記事の限界をはっきり書いておきます。

これは私が実際に受け取った配当金の記録ではありません。保有株数と、各社が公表している1株あたりの配当予想から計算した試算です。

今年の受取実績はまだ年の途中で確定していないので、現時点で出せるのはこの形になります。

計算方法と精度は次のとおりです。

項目内容
計算式保有株数 × 1株あたり年間配当(会社予想)
個別に確認した銘柄53銘柄
その53銘柄がカバーする割合配当全体の89.4%
残り130銘柄想定利回り2.5%で概算

上位の銘柄はすべて個別に数字を確認しているので、ランキングの順位は信頼できます。概算で埋めたのは、1株だけ持っているような影響の小さい銘柄です。

なお、前回と同じく金額は一切公開しません。出すのは構成比だけです。

配当の46%は、上位10銘柄から

さっそく結果です。

順位銘柄配当全体に占める割合
1アサンテ7.72%
2ヤマハ発動機5.77%
3船井総研ホールディングス5.49%
4野村不動産ホールディングス5.38%
5ベルーナ4.41%
6ニホンフラッシュ4.12%
7ライオン3.85%
8日本製鉄3.40%
9プレステージ・インターナショナル3.20%
10INPEX2.79%

累積するとこうなります。

配当全体に占める割合
上位5銘柄28.8%
上位10銘柄46.1%
上位20銘柄66.2%
上位30銘柄78.6%

183銘柄も持っているのに、配当のほぼ半分は10銘柄から来ていました。

逆に言えば、残りの173銘柄が生んでいるのは、合わせても半分ほどです。分散しているつもりでしたが、収入源はかなり偏っていたことになります。

上位10のうち9銘柄が「100株以上」

ここで、気づいたことがあります。

上位10銘柄の保有株数を見ると、9銘柄が100株以上でした。1株や数株ではありません。例外はINPEXの22株だけです。

前回の記事で、100株まとめ買いした銘柄は評価損益率では最下位だと書きました。ところが配当では、その100株組が上位を独占しています。

そこで、保有株数の区分ごとに配当の構成比を出してみました。

銘柄数の割合と、配当構成比の比較 銘柄数の割合と、配当構成比のズレ 銘柄数の割合 配当の構成比 1株未満 1株 2〜9株 10〜99株 100株以上 10.4% 42.1% 21.9% 12.6% 13.1% 0.1% 4.5% 15.8% 23.6% 56.1% ※ 1株保有は銘柄数のいちばん多い区分だが、配当はほとんど生んでいない
保有株数の区分別に、銘柄数の割合と配当構成比を比較。配当は試算値。金額は非公開。

数字にするとこうです。

区分銘柄数配当の構成比
1株未満190.1%
1株774.5%
2〜9株4015.8%
10〜99株2323.6%
100株以上2456.1%

1株だけ買った77銘柄が生む配当は、合わせても4.5%しかありません。銘柄数でいえばいちばん多い区分なのに、です。

一方、100株以上の24銘柄が、配当の56.1%を生んでいます。銘柄数では全体の1割強ほどしかないのに、半分以上です。

値上がりと配当で、結果が真逆だった

前回の成績と並べると、はっきりします。

区分平均評価損益率勝率配当の構成比
1株未満+14.0%68%0.1%
1株+33.3%78%4.5%
2〜9株+33.2%78%15.8%
10〜99株+14.4%70%23.6%
100株以上+12.4%58%56.1%

値上がりでいちばん強かった1株組が、配当ではいちばん弱い。 値上がりで最下位だった100株組が、配当では圧倒的に強い。

見事に逆です。

理由は考えてみれば当たり前で、配当は株数に比例するからです。どれだけ株価が上がっても、1株しか持っていなければ配当も1株分です。栃木銀行が4倍になっても、受け取る配当は1株分でしかありません。

評価損益率は「率」なので株数と関係ありませんが、配当は「量」です。測っているものが違う、という話でした。

自分のポートフォリオは、2層構造だった

この2つを並べて、ようやく腑に落ちました。

私のポートフォリオは、意図せず役割の違う2つの層に分かれていたようです。

層中身役割
観察層1株〜数株を広く(117銘柄)会社を見続けるための入り口。配当はほぼ生まない
収入層100株以上(24銘柄)配当を実際に生んでいる本体

「気になったらまず1株」というやり方は、観察するためには良い仕組みです。実際、成績もこちらのほうが良かった。

でも、配当で生活を豊かにしたいなら、1株では何も変わりません。年に数十円の配当が77銘柄あっても、合計で全体の4.5%です。

このブログでは「今も豊かに、かつ数年後のキャッシュフローに」と書いてきました。そのキャッシュフローを実際に作っているのは、まとまった株数で持っている24銘柄のほうだったわけです。

📖 1株投資の位置づけ → 単元未満株(かぶミニ)の始め方 📖 銘柄数の話 → 日本株180銘柄は分散しすぎ?

配当ゼロの銘柄が7つあった

もうひとつ、数えて気づいたことがあります。

配当を1円も生んでいない銘柄が7つありました。北浜キャピタルパートナー、WIZE、enish、楽天グループ、ジャパンディスプレイ、日産自動車、ランドです。

このうち楽天グループは、保有額でいえば上位に入る銘柄です。それが配当をまったく生んでいない。

ただ、これは想定内です。楽天グループは優待目的で持っていて、楽天モバイルのSIMが1年間無料になる優待で通信費が年1万円以上浮いています。配当がなくても、受け取っているものはあります。

📖 その優待について → 株主優待はじめの一歩|楽天グループ100株でスマホ代が実質無料になった話

逆に言うと、無配の銘柄を「高配当ポートフォリオ」の中に置いていること自体は意識しておくべきだと思いました。持つ理由がはっきりしているなら構いませんが、なんとなく持っているなら見直す対象です。

📖 売る基準について → 高配当株に売り時はあるか

この試算の限界

もう一度、割り引いて読むべき点を書いておきます。

  • 実際の受取額ではなく、会社予想からの試算です
  • 税引前の計算です。実際にはNISA以外の口座なら約20%引かれます
  • 130銘柄は想定利回り2.5%で概算しています(配当全体の約1割)
  • 配当は増配・減配で変わります。これは今の予想にもとづく一時点の姿です

それでも、上位の顔ぶれと、おおよその偏り方は掴めたと思っています。年間の受取実績が確定したら、改めて実額ベースで数え直すつもりです。

📖 減配されたときの判断 → 減配されたらどうする?180銘柄持つ私が売った銘柄と、売らなかった銘柄

📖 100株に到達したら → ミニ株で買い増して100株になったらどうなる?株主優待はもらえるのか

📖 配当1位の銘柄を掘った話 → 私の配当1位はシロアリの会社だった|アサンテをナンピンして気づいた危うさ

📖 配当3位の銘柄 → 船井総研ホールディングスは配当3位の優等生だった|配当性向60%の根拠 📖 配当6位の銘柄 → ニホンフラッシュは配当6位だが含み損が最大|中国事業という弱点 📖 配当9位の銘柄 → プレステージ・インターナショナルは5期連続増配|地味なBPOという事業

📖 配当4位の銘柄 → 野村不動産ホールディングスは逆風の中で買った|配当性向41%と13期連続増配

📖 配当5位の銘柄 → ベルーナは優待目当てで買った|そこから高配当投資に移っていった話

📖 そもそもやめるべきか → 高配当株投資はやめとけ?おすすめしないと言われる5つの理由を10年続けた私が検証する

📖 その後の決算 → アサンテの決算を見ました|配当性向220%の先に何が起きたか

まとめ

  • 日本株183銘柄が生む配当の構成比を試算(金額は非公開、実績ではなく試算)
  • 配当の46.1%は上位10銘柄から。上位20銘柄なら66.2%
  • 上位10のうち9銘柄が100株以上の保有
  • 保有株数の区分で分けると
    • 1株保有の77銘柄 → 配当の4.5%
    • 100株以上の24銘柄 → 配当の56.1%
  • 前回の成績と真逆の結果
    • 値上がりでは1株組が最強(+33.3%)
    • 配当では100株組が圧倒的(56.1%)
    • 評価損益率は「率」、配当は「量」で、測っているものが違う
  • ポートフォリオは意図せず観察層と収入層の2層に分かれていた
  • 配当ゼロの銘柄が7つ。うち楽天グループは優待目的なので想定内

「気になったらまず1株」は、会社を知るためには良い方法でした。でも配当を増やす方法ではなかった。数えてみて、ようやくそこがはっきりしました 🌱

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