減配されたらどうする?180銘柄持つ私が売った銘柄と、売らなかった銘柄
高配当株を持っていれば減配は必ず起きます。ただし減配には「株式分割による見かけだけのもの」「一時的なもの」「構造的なもの」の3種類があり、対応はまったく違います。実際にヤマハ発動機では売らず、日産自動車では売った私の判断基準を書きます。
減配は、必ず起きます
高配当株を買うとき、誰もが不安に思うことがあります。
「買ったあとに減配されたら、どうすればいいのか」
先に身も蓋もないことを書くと、減配は必ず起きます。私は日本株を180銘柄ほど持っていますが、これだけ数があれば、毎年どこかが減配します。避けようがありません。
大事なのは、減配を避けることではなく、起きたときにどう判断するかです。
そして実際のところ、私はほとんど売っていません。180銘柄のうち、減配をきっかけに売ったと記憶しているのは1銘柄だけです。
なぜ売らないのか。そして、その1銘柄はなぜ売ったのか。実例で書きます。
まず、減配には3種類あります
ここを分けずに考えると、判断を間違えます。
| 種類 | 何が起きているか | 対応 |
|---|---|---|
| ① 見かけの減配 | 株式分割で1株あたりの額が下がっただけ | 何もしない |
| ② 一時的な減配 | 業績の波で一時的に減らした | 様子を見る |
| ③ 構造的な減配・無配 | 事業の土台が崩れ、配当を出せない | 売却を検討 |
①と③を取り違えると、持つべき株を売り、売るべき株を持ち続けることになります。
私が実際に経験した例で説明します。
ヤマハ発動機:①と②の両方を経験した
私はヤマハ発動機を100株以上持っています。この銘柄では、見かけの減配と本物の減配の両方を経験しました。
まず「見かけの減配」があった
ヤマハ発動機は2024年1月1日に、1株を3株に分割しました。
分割前の配当は年145円でしたが、分割後の年間配当は50円になりました。数字だけ見ると、145円が50円。3分の1近くに減ったように見えます。
でも実際には、持っている株数が3倍になっているので、受け取る総額は減っていません。むしろ分割前の基準に直すと、このときは実質的に増配でした。
これが①の見かけの減配です。何もする必要はありません。
📖 分割と配当の関係 → 株式分割って得なの?NTTの25分割を経験して分かったこと
そのあと、本当の減配があった
ところがその翌年、今度は本物の減配が来ました。
2026年2月、ヤマハ発動機は業績予想の下方修正を発表し、年間配当を50円から35円へ引き下げました。繰延税金資産の取り崩しや、米国の追加関税による環境変化が背景だと説明されています。
このときの私は、何もしませんでした。売っていません。
そして2026年12月期の配当予想は、再び50円に戻る見通しが示されています。
結果として、売らなかったのが正解でした。
なぜ売らなかったのか
理由は3つあります。
- 会社が減配の理由をきちんと説明していた(業績の下方修正にともなうもので、不透明な話ではない)
- 配当をやめるとは言っていない。減らしただけで、出す姿勢は残っている
- バイクという事業そのものが崩れたわけではない
つまり、②の一時的な減配だと判断しました。業績には波があるので、悪い年に減らすのは当たり前のことです。
日産自動車:③だったので、売った
一方、売った1銘柄が日産自動車です。
日産は2024年11月に中間配当の見送りを決め、2025年4月には期末配当も見送りました。この結果、4期ぶりの無配になりました。その後も無配が続いています。
ここが決定的な違いです。減配ではなく、無配でした。
減配と無配は、意味がまったく違う
- 減配:配当は出す。ただし額を減らす → 配当を出す意思は残っている
- 無配:配当を出さない → 配当を出す体力も意思もない
私が高配当株を持つ理由は、配当を受け取り続けることです。配当がゼロになった時点で、その株を持っている理由が消えます。
以前、優待が廃止された株を売れずに持ち続けて失敗したことがあります。そのとき学んだのは「買った理由が消えたら売る」ということでした。日産ではその基準どおりに動けました。
📖 その失敗の話 → 優待廃止で株価が半値。それでも売れなかった私の失敗談 📖 売る基準について → 高配当株に売り時はあるか
なお、売ったとはいえ今も1株だけ手元に残っています。完全に縁を切ったわけではなく、どうなるか見ている状態です。
見分けるための3つの質問
私が減配のニュースを見たときに確認するのは、この3つだけです。
① 株式分割をしていないか
まずこれを疑います。1株あたりの配当が下がっていても、株数が増えていれば受け取る総額は変わりません。
分割の年は、必ず「分割前の基準に直すといくらか」を確認してください。見かけの数字で慌てる必要はありません。
② 会社は理由を説明しているか
減配には必ず発表があり、理由が書かれています。
- 業績の下方修正にともなうもの → 波の範囲内であることが多い
- 一時的な特別損失によるもの → 翌年には戻る可能性がある
- 理由が曖昧、または構造的な問題 → 要注意
ヤマハ発動機の場合は理由が具体的で、しかも一過性の要因が中心でした。だから様子を見られました。
③ 配当を出す意思が残っているか
いちばん大事なのがこれです。
減配は「減らす」、無配は「やめる」です。減らしてでも出し続けるなら、会社は株主還元の姿勢を保っています。ゼロにするのは、そうできない状態になったということです。
📖 配当の持続性を見る指標 → 配当性向は何%まで安全?危険ラインの見極め方
正直な話:減配に自分で気づいていません
ここは格好悪いので隠したくなるのですが、書いておきます。
日産が無配になったことを、私はSNSで知りました。
自分で決算を追っていたわけでも、会社からの通知に気づいたわけでもありません。誰かの投稿で「日産が無配転落」と流れてきて、初めて自分の保有銘柄のことだと気づきました。
180銘柄も持っていると、全部の決算を追うのは現実的に無理です。これは正直に認めます。
ただ、これで困ったことは今のところありません。理由は次に書きます。
180銘柄あると、減配はそれほど怖くない
分散していることの最大の効能が、ここに出ます。
1銘柄が減配しても、ポートフォリオ全体への影響はごくわずかです。だから気づくのが遅れても、致命傷になりません。慌てて売る必要もないので、判断を落ち着いてできます。
集中投資していたら、こうはいきません。主力株が減配した瞬間に資産が大きく動くので、冷静でいるのが難しくなります。
📖 分散について → 日本株180銘柄は分散しすぎ?
ただし、油断してはいけない部分もある
とはいえ、全部の銘柄が同じ重さではありません。
以前、自分の配当を集計したところ、配当の約46%は上位10銘柄から来ていました。つまり、その上位銘柄が減配したら、全体に効きます。
1株しか持っていない銘柄の減配は無視していいのですが、まとまった株数を持っている銘柄の減配は、きちんと見る必要があるということです。
実際ヤマハ発動機は、私の配当の上位に入る銘柄でした。だからこそ「売るか持つか」をちゃんと考えました。
📖 その集計 → 【配当の内訳】180銘柄のうち、配当の半分は上位10銘柄から来ていた
📖 増配のほうはこちら → 増配の価値は「買値」に出る|連続増配株を持ち続けて分かったこと
📖 配当1位の銘柄を掘った話 → 私の配当1位はシロアリの会社だった|アサンテをナンピンして気づいた危うさ
📖 その後の決算 → アサンテの決算を見ました|配当性向220%の先に何が起きたか
まとめ
- 高配当株を持っていれば、減配は必ず起きる。避けるのではなく、判断の仕方を決めておく
- 減配には3種類ある
- 見かけの減配(株式分割)→ 何もしない
- 一時的な減配(業績の波)→ 様子を見る
- 構造的な減配・無配(事業の土台が崩れた)→ 売却を検討
- ヤマハ発動機は分割による見かけの減配と、実際の減配の両方を経験したが売らなかった。配当は戻る見通しになった
- 日産自動車は無配になったため売った。減配と無配は意味がまったく違う
- 見分ける3つの質問
- 株式分割をしていないか
- 会社は理由を説明しているか
- 配当を出す意思が残っているか
- 正直、減配にはSNSで気づいた。180銘柄を全部追うのは無理
- それでも困らないのは分散しているから。ただし配当上位の銘柄だけは見ておく
減配のニュースを見ると不安になりますが、慌てて売ると損をすることのほうが多いと感じています。まず種類を見分ける。それだけで、ほとんどの場面は落ち着いて対応できます 🌱
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日本株は1株から買えます。1銘柄に集中せず少しずつ分散しておけば、減配が起きても慌てずに判断できます。