アサンテの決算を見ました|配当性向220%の先に何が起きたか

配当性向220%だったアサンテの中間決算が出ました。結果は減収減益で、利益は戻りませんでした。それでも配当62円は据え置き。逆算すると今期の配当性向は290%前後になります。売るか持つか迷ったうえで、1単元だけ持ち続けて観察することにした理由を書きます。


「決算を見る」と書いたので、見ました

少し前に、自分の配当1位の銘柄であるアサンテ(6073)について記事を書きました。配当を集計したら1位なのに、配当性向が220%という状態だったからです。

そのとき、こう書いて終わりました。

今の時点では、判断の材料が足りません。次の決算発表は11月5日の予定なので、まずはそこを見ます。

📖 その記事 → 私の配当1位はシロアリの会社だった|アサンテをナンピンして気づいた危うさ

その決算が出ました。結果を書きます。

結果:利益は戻りませんでした

2026年11月5日に発表された中間決算です。

項目金額前年同期比
売上高75億4,800万円4.9%減
営業利益6億3,000万円22.2%減
経常利益6億4,600万円20.4%減
純利益3億9,100万円27.4%減

減収減益です。しかも利益の減り方が売上より大きい。

私が見たかったのは「利益が戻る兆しがあるか」でしたが、答えは兆しなしでした。

ひとつ気になったのは、白蟻防除などの申込調査件数は増加していると書かれていることです。

つまり需要が減ったわけではない。仕事は来ているのに、利益が出ていない。原材料費や人件費といったコスト側の問題かもしれませんが、そこまではこの資料から読み取れません。

それでも、配当は据え置きです

年間配当62円は据え置き。減配の発表はありませんでした。

ここは評価すべき点です。会社は配当を維持する姿勢を見せています。無配に転落した日産のケースとは、はっきり違います。

📖 日産を売った話 → 減配されたらどうする?180銘柄持つ私が売った銘柄と、売らなかった銘柄

ただ、問題はその持続性です。

配当性向は、さらに悪化する見込みです

配当性向の推移を並べると、流れがはっきりします。

決算期1株あたり利益(EPS)配当性向
2024年3月期—125.9%
2025年3月期66.02円93.9%
2026年3月期28.09円220.7%

3年連続で、100%前後かそれ以上です。そしてEPSは66円から28円へ、1年で半分以下になりました。

さらに、現在の株価とPER(会社予想)から逆算すると、今期のEPS予想は21円台と見られます。配当62円を維持した場合、配当性向は290%前後になる計算です。

1株あたり利益(EPS)と配当の比較 利益は下がり続け、配当は据え置き(1株あたり・円) 0 20 40 60 配当 62円(据え置き) 66.02 28.09 約21.5 2025年3月期 2026年3月期 2027年3月期 (逆算した予想) ※ 棒が1株あたり利益、点線が配当。2026年3月期以降は配当が利益を大きく上回っている
アサンテのEPSと年間配当の比較。2027年3月期のEPSは株価とPER(会社予想)から逆算した概算値。

グラフにすると一目です。配当の点線が、利益の棒を大きく追い越しています。

この状態が続けば、いずれ配当を支えきれなくなります。減配は時間の問題という見方をされても仕方がない水準です。

なお株価も、11月4日に年初来安値を更新しました。年初来高値からはかなり下げています。配当利回りだけを見れば5%を超えていますが、その利回りは配当が維持される前提での数字です。

📖 配当性向の見方 → 配当性向の平均は何%?目安・危険ラインと、配当利回りとの違い

自分の基準に当てはめると

私は減配を3つに分けて判断すると書きました。

種類アサンテは?
見かけの減配(株式分割)違う。分割はしていない
一時的な減配(業績の波)2期連続の減益。一時的とは言いにくくなってきた
構造的な問題その可能性が出てきた

正直に書くと、判断がつきません。

構造的な悪化だと断定するには材料が足りません。申込件数は増えているので、需要そのものは健在です。一方で「一時的な波」と呼ぶには、減益が長く続きすぎています。

そして決定的なのは、まだ減配していないことです。配当を出す意思は残っている。私の基準では、売る条件を満たしていません。

📖 売る基準 → 高配当株に売り時はあるか

私の判断:1単元は持ち続けます

迷いました。正直に書くと、今も迷っています。

そのうえで出した結論はこれです。

1単元は持ち続けて、様子を見る。勉強として。

なぜ全部売らないのか

理由は3つあります。

① まだ減配していない

私のルールは「持つ理由が消えたら売る」です。配当が出ている以上、理由はまだ消えていません。株価が下がっていることは、売る理由になりません。

② 判断材料が足りない

通期の決算は来年です。中間の数字だけで構造的な悪化だと決めつけるのは、早すぎる気がしています。

③ 観察する価値がある

これがいちばん大きい理由です。

「勉強として持つ」ということ

配当性向が200%を超えた銘柄が、このあとどうなるのか。私はそれを、本で読んだのではなく自分の口座で見てみたいと思いました。

  • このまま配当を維持し続けるのか
  • どこかで減配するのか
  • 減配したとき、株価はどう動くのか
  • そのとき自分はどう感じ、どう判断するのか

これは持っていないと分かりません。持っていない銘柄のニュースは、どれだけ気にしても結局流れていきます。

私はこのブログで「気になったらまず1株買って観察する」と繰り返し書いてきました。今回はその逆バージョンです。危うい銘柄を、危ういと分かったうえで観察のために持つ。

📖 その考え方 → ミニ株(かぶミニ)とは?初心者が1株から日本株を買う方法と始め方

もちろん、これは授業料を払う覚悟がある金額だからできることです。生活に影響する額なら、こんな悠長なことは言いません。

これから何を見るか

観察すると決めた以上、見る場所をはっきりさせておきます。

  1. 通期の決算 — 下期で利益が戻るか
  2. 配当予想の修正 — 62円が維持されるか
  3. 利益率 — 申込件数が増えているのに利益が出ない理由が説明されるか

このどれかが動いたら、また書きます。

この件から学んでいること

まだ結論は出ていませんが、すでに学んだことがあります。

配当を多く生んでいる銘柄ほど、注意して見なければいけない。

アサンテは私の配当の約8%を生む1位の銘柄です。それなのに、配当性向を一度も確認していませんでした。180銘柄あるので全部は追えませんが、上位だけでも見ていれば、もっと早く気づけたはずです。

実際、その後に点検した他の銘柄は、どれも配当性向50〜60%台で健全でした。異常値だったのはアサンテだけです。

📖 他の銘柄の点検 → 【配当の内訳】180銘柄のうち、配当の半分は上位10銘柄から来ていた

まとめ

  • 配当性向220%だったアサンテの中間決算が出た(2026年11月5日)
  • 結果は減収減益。売上4.9%減、営業利益22.2%減、純利益27.4%減
  • 白蟻防除の申込件数は増加しているので、需要の問題ではない
  • 配当62円は据え置き。減配の発表はなかった
  • ただしEPSは66.02円→28.09円に急落。逆算すると今期の配当性向は290%前後になる見込み
  • 株価は11月4日に年初来安値を更新
  • 自分の基準では、一時的か構造的か判断がつかない。そしてまだ減配していないので売る条件を満たさない
  • 結論:1単元は持ち続けて観察する。勉強として
    • 配当性向200%超の銘柄がこのあとどうなるかを、自分の口座で見たい
    • 持っていない銘柄のニュースは、結局追えないから
  • 学んだこと:配当を多く生む銘柄ほど、注意して見なければいけない

きれいな結論ではありません。でも、迷いながら持っているというのが今の正直な状態です。動きがあれば、また書きます 🌱

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