日本株150銘柄は分散しすぎ? 実際に持っている私の本音と管理方法
日本の高配当株を約150銘柄保有しています。「20〜30銘柄で十分」という一般論からすれば明らかに多い。それでも増やし続けている理由と、正直なデメリット、150銘柄をどう管理しているかを公開します。
「150銘柄って、多すぎませんか?」
私は日本の高配当株を、約150銘柄に分けて持っています。
この数字を出すと、だいたい同じ反応が返ってきます。
「多すぎないですか?」
もっともな疑問です。個人投資家のポートフォリオとしては、明らかに一般的な水準ではありません。教科書的な答えからも外れています。
この記事では、その疑問に正面から答えます。なぜ増やしたのかではなく、実際どうなのかという話です。管理方法も、正直なデメリットも書きます。
なお「どうやって150銘柄まで増えたのか」という経緯については、別の記事にまとめてあります。
📖 経緯はこちら → 最初に買った5銘柄と150銘柄に増えた今のリアル
まず、「分散しすぎ」という指摘は正しい
反論から入らずに、まず認めます。
投資の世界には、分散は20〜30銘柄でほぼ効果が頭打ちになるという考え方があります。銘柄を増やすほどリスクは下がりますが、その効果はどんどん小さくなり、30を超えたあたりから増やしてもほとんど変わらなくなる、という話です。
この考え方に立つと、150銘柄には次のような指摘が成り立ちます。
- リスクを減らす効果は、もう増えていない
- 銘柄が増えるほど、管理の手間だけが増える
- 1銘柄あたりの比率が小さいので、良い銘柄を見つけても全体へのインパクトが薄い
- そこまで分散するなら、最初からETFを買えばいい
どれも筋が通っています。特に最後の指摘は鋭くて、150銘柄まで分散した個別株のポートフォリオは、値動きだけ見れば指数に近づいていきます。それなら日経平均やTOPIXのETFを1本買えば済む、という理屈になる。
私もこれは否定しません。効率だけを考えるなら、そのほうが正しいと思います。
そのうえで、なぜ私は150銘柄を続けているのか。
理由①:1株から買えるので、分散のコストがほぼゼロ
これが最大の理由です。
昔は、150銘柄への分散は物理的に不可能でした。
日本株は基本的に100株単位です。1株3,000円の銘柄なら、最低でも30万円。これを150銘柄そろえるとなると、単純計算で4,500万円必要になります。個人が気軽にやれる話ではありません。
ところが今は、1株から買えるサービスがあります。楽天証券なら「かぶミニ」です。1株3,000円の銘柄なら、3,000円で株主になれる。
つまり、分散のコストが劇的に下がったわけです。「銘柄を増やすと管理が大変」というデメリットは残りますが、「資金が足りない」という制約はほぼ消えました。
150銘柄という数字が現実的になったのは、制度とサービスが変わったからです。昔の常識をそのまま当てはめると、判断を間違えると思っています。
📖 1株投資について → 単元未満株(かぶミニ)の始め方
理由②:買わないと、本気で見ないから
私のやり方は「気になったらまず1株」です。
これは分散のためというより、観察のためにやっています。
不思議なもので、1株でも持つと、その会社のニュースが目に入るようになります。決算の内容が気になるし、増配や減配の発表にも反応するようになる。株主優待の案内が届けば、そこで初めて事業の中身を知ることもあります。
逆に、持っていない銘柄はどれだけ調べようと思っても、結局続きません。「後で調べよう」と思ったまま忘れる。
数千円で「その会社を見続ける仕組み」が手に入るなら、安い買い物だと思っています。その結果として銘柄数が増えているだけで、150という数字を目指したわけではありません。
理由③:1銘柄が倒れても、動揺しない
これは持ってみて実感した効果です。
150銘柄あると、1銘柄あたりの比率がとても小さくなります。仮に1銘柄が減配しても、不祥事で暴落しても、ポートフォリオ全体はほとんど揺らぎません。
これが精神面でかなり効きます。
配当投資でいちばん怖いのは、暴落したときに怖くなって売ってしまうことです。集中投資していると、1銘柄の悪材料で資産が大きく減るので、冷静でいるのが難しくなる。
150銘柄に薄く広げていると、どれか1つが悪くなっても「まあ、そういうこともある」で済みます。握り続けやすい。
私は以前、持つ理由が消えた株を売れずに抱え続けたことがありますが、あれは1銘柄への思い入れが強すぎたのも一因でした。薄く広く持っていれば、そもそもそういう状態になりにくい。
📖 関連 → 優待廃止で株価が半値。それでも売れなかった私の失敗談
理由④:配当が途切れない
150銘柄あると、毎年どこかが減配しますが、同時にどこかが増配します。
個別に見れば上下しますが、全体としての配当額は安定しやすい。1銘柄の減配で今年の配当計画が崩れる、ということが起きません。
配当を生活の一部に組み込んでいく前提なら、この安定感は数字以上の価値があります。
正直なデメリット
いいことばかりではありません。実感しているマイナス面も書きます。
① 管理の手間は、確実に増える
これは避けられません。150銘柄を「なんとなく」で持つのは無理です。後述しますが、私は自分で表を作って管理しています。
この手間を許容できないなら、150銘柄は現実的ではありません。
② 1銘柄あたりの配当は、雀の涙
1株だけ持っている銘柄なら、配当は年に数十円ということもあります。振込の通知を見ても、正直インパクトはありません。
「配当で生活する」という観点だけで見れば、1株ずつ150銘柄より、主力銘柄をまとまった株数で持つほうが効率的です。私も中核となる銘柄は、それなりの株数を持っています。
③ 大当たりしても、全体は動かない
分散の裏返しです。ある銘柄が2倍になっても、全体に占める比率が小さいので、資産はほとんど変わりません。
大きく増やしたい人には、明確に向いていないやり方です。
④ 「なぜ持っているんだっけ」が発生する
正直に書くと、買った理由を思い出せない銘柄が出てきます。
これは分散のデメリットというより、記録を残していなかった自分の問題です。だから今は表に残すようにしています。
どうやって150銘柄を管理しているか
ここが実務の話です。
私は自分で表を作って管理しています。
証券口座の保有一覧画面だけでは、正直かなりつらいです。150行を延々スクロールすることになりますし、セクターの偏りや、配当がいつ入るかといった横断的な情報が見えません。
表を作っておくと、こういうことが分かるようになります。
- どのセクターに偏っているか(銀行ばかり増えていないか)
- 年間の配当がだいたいいくらか
- 買い増し候補はどれか
- その銘柄を、なぜ買ったのか
特に最後の「買った理由」は、書いておくと後で効きます。理由を書けない銘柄は、そもそも買うべきではなかった可能性が高い。
逆に言えば、表を作るのが苦にならない人でないと、150銘柄は回りません。ここは向き不向きがはっきり出る部分だと思います。
📖 セクター分散の考え方 → 日本高配当株の選び方
それでも、私はこのやり方を続ける
一般論から外れているのは承知していますが、私はこのやり方に満足していますし、これからも増やしていくつもりです。
理由をまとめると、こうなります。
- 効率では劣る。それは認める
- でも続けやすさでは勝っている
- 1株から買えるので、分散のコストがほぼない
- 買うことがその会社を見続けるきっかけになる
- 何が起きても動揺しないので、長く握っていられる
配当投資は、20年30年と続けてこそ意味のある投資です。理論上いちばん効率的な形より、自分が続けられる形のほうが、最終的には勝つと思っています。
📖 続けるための考え方 → 投資を続けるモチベーション、私はこう保ってる
これから始める人へ:真似しないでいい
最後に、はっきり書いておきます。
最初から150銘柄を目指す必要は、まったくありません。
私も最初は5銘柄でした。そこから10年かけて、少しずつ増えた結果が今の形です。いきなりこの数を持とうとすると、確実に管理が破綻します。
始めるなら、この順番がいいと思います。
- 気になった銘柄を1株買う(数千円)
- 5〜10銘柄まで、1株ずつ集めてみる
- 持ってみて、買い増したい銘柄を絞る
- 物足りなくなったら広げる
このやり方なら、自分にとっての適正な銘柄数が、やりながら分かってきます。20銘柄で十分だと感じる人もいれば、私のように増えていく人もいる。どちらが正しいという話ではありません。
📖 始め方 → 高配当株投資の始め方 完全ロードマップ
まとめ
- 日本の高配当株を約150銘柄保有している
- 分散しすぎという指摘は正しい。20〜30銘柄で効果は頭打ちになる
- それでも続ける理由
- 1株から買えるので、分散のコストがほぼゼロ(昔なら4,500万円必要だった)
- 買うことがその会社を見続けるきっかけになる
- 1銘柄が倒れても動揺せず、握り続けられる
- 配当が途切れない
- 正直なデメリット
- 管理の手間は確実に増える
- 1銘柄あたりの配当はわずか
- 大当たりしても全体は動かない
- 管理は自分で作った表でやっている。証券口座の画面だけでは足りない
- これから始める人が真似する必要はない。5〜10銘柄から始めて、やりながら決めればいい
効率だけを見れば、もっと賢いやり方があります。それでも私がこの形を選んでいるのは、10年続けてきて、いちばん無理がなかったからです 🌱
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1株から買えるので、数千円で分散を始められます。気になった銘柄をまず1株持って、そこから育てていくやり方が可能です。