【保有分析】183銘柄をセクター別に数えたら、分散しているつもりで偏っていた

NISA成長投資枠の日本株183銘柄を、業種(セクター)別に集計しました。金額は非公開、構成比だけを公開します。14のセクターに広がっていましたが、上位5セクターで62%。しかも銘柄数がいちばん多いセクターが、金額では6番目でした。分散は数え方で見え方が変わります。


「セクター分散」ができているか、数えてみた

高配当株を選ぶとき、業種(セクター)を分けたほうがいいとよく言われます。銀行ばかり、商社ばかりでは、その業界が不調になったときに全部まとめて沈むからです。

私も意識はしてきました。通信、商社、銀行、化学、不動産……と、気づいたら幅広く持っています。

では実際にどうなっているのか。183銘柄を業種別に集計してみました。

これまで2回、同じデータを別の角度から見てきました。今回が3回目です。

  1. 評価損益率で見たとき → 1株ずつ買った銘柄がいちばん強かった
  2. 配当で見たとき → 配当の46%が上位10銘柄から
  3. セクターで見たとき ← 今回

集計の前提

前回までと同じです。

  • 金額は一切公開しません。出すのは構成比だけ
  • 対象はNISA成長投資枠の日本株183銘柄(ETF20本を含む)
  • 業種分類は私が自分でざっくり分けたものです。公式の33業種分類ではなく、10数個にまとめています

分類の細かい当否で結論が変わらないよう、大きなまとまりで見ています。

結果:14のセクターに分かれていた

まず全体です。金額の構成比が大きい順に並べます。

セクター銘柄数銘柄数の比率金額の構成比
サービス158.2%16.3%
金融1910.4%12.8%
建設・不動産168.7%11.9%
食品・生活用品116.0%11.1%
自動車・輸送機器84.4%10.2%
情報・通信2714.8%10.0%
素材・化学2212.0%7.7%
小売・外食126.6%5.0%
エネルギー・資源63.3%3.6%
機械・電機147.7%3.1%
ETF・投資信託2010.9%3.1%
医薬品42.2%2.4%
商社・卸売52.7%2.2%
運輸・物流42.2%0.4%

14のセクターに分かれています。特定の業種に全振りしている、という状態ではありません。

ただ、累積で見ると印象が変わります。

金額の構成比
上位1セクター16.3%
上位3セクター41.1%
上位5セクター62.4%
上位8セクター85.2%

14に分かれているようでいて、上位5つで6割です。

銘柄数と金額が、またズレていた

この表でいちばん気になったのは、ここです。

セクター別の銘柄数比率と金額構成比 銘柄数の比率と、金額の構成比のズレ 銘柄数の比率 金額の構成比 サービス 金融 建設・不動産 食品・生活用品 自動車・輸送機器 情報・通信 素材・化学 小売・外食 8.2% 10.4% 8.7% 6.0% 4.4% 14.8% 12.0% 6.6% 16.3% 12.8% 11.9% 11.1% 10.2% 10.0% 7.7% 5.0% ※ 銘柄数がいちばん多い情報・通信は、金額では6番目。少ない銘柄数に金額が寄っているセクターもある
NISA成長投資枠の日本株183銘柄を業種別に集計。金額は非公開で構成比のみ。業種分類は筆者によるもの。

銘柄数がいちばん多いのは情報・通信の27銘柄です。ところが金額では6番目でしかありません。

素材・化学も22銘柄と多いのに、金額では7.7%。機械・電機は14銘柄あって3.1%です。

逆に、自動車・輸送機器はたった8銘柄で10.2%。サービスは15銘柄で16.3%と最大です。

つまり、銘柄数で分散しているつもりのセクターほど、金額では軽い。これは前回、保有株数を数えたときに出た結論とまったく同じ構図でした。

📖 前回の分析 → 日本株183銘柄の成績を数えた|1株ずつ買った銘柄がいちばん強かった

セクターの中身も、1〜2銘柄に寄っていた

さらに踏み込みます。各セクターの中身を見ると、もっとはっきりしました。

金額の大きい上位5セクターについて、そのセクター内で1銘柄が占める割合を出します。

セクターセクター内での偏り
自動車・輸送機器ヤマハ発動機だけで67%
食品・生活用品ライオンだけで59%
サービスアサンテ37% + 船井総研27% = 上位2社で64%
建設・不動産野村不動産30% + ニホンフラッシュ22%
金融SBIグローバルアセット20% + 東京海上13%

「自動車セクターを持っている」と言っても、実態はヤマハ発動機です。トヨタもホンダもデンソーも持っていますが、金額でいえば脇役でしかありません。

食品・生活用品も同じで、実質はライオンです。

「分散」は、数え方で見え方が変わる

3回集計して、同じ結論に行き着きました。

数え方見え方
銘柄数で数える183銘柄、14セクター。十分に分散している
金額で数える上位5セクターで62%。セクター内も1〜2銘柄に集中

どちらも嘘ではありません。ただ、リスクを考えるうえで意味があるのは金額のほうです。

情報・通信を27銘柄持っていても、その多くが1株ずつなら、通信業界が不調になったときの影響はほとんどありません。逆にヤマハ発動機に何かあれば、自動車セクターの3分の2が動きます。

「何銘柄持っているか」は、リスク管理の指標になりません。ここは、数えてみるまで実感できていませんでした。

📖 銘柄数の話 → 日本株180銘柄は分散しすぎ?

それでも、致命的な偏りはなかった

悪い話ばかりに読めるかもしれないので、公平に書きます。

最大のセクターでも16.3%です。1つの業種が3割も4割も占めている、という状態ではありません。高配当株は銀行・商社・通信に寄りがちなので、そこを考えればむしろ健全なほうだと思います。

実際、金融は19銘柄で12.8%。高配当株投資をしていると金融に偏りやすいのですが、ここは想定の範囲でした。

📖 メガバンクの比較 → 3大メガバンク比較 📖 商社株の比較 → 5大商社株、買うならどれ?

自分への宿題

数えてみて、改善すべき点も見えました。

① セクター内の偏りを見る

セクター単位では分散できているので、次に見るべきは各セクターの中身です。自動車の67%がヤマハ発動機という状態は、自動車に分散しているとは言えません。

② 薄いセクターは「持っている」と数えない

情報・通信27銘柄、素材・化学22銘柄と並べると分散した気になりますが、金額では合わせても17.7%です。1株ずつの銘柄は観察用であって、ポートフォリオの柱ではない。そこを混同しないようにします。

③ 守りのセクターの比重

医薬品が4銘柄で2.4%、食品・生活用品は11.1%だがライオン依存という状態です。不況に強いとされる業種の比重は、意識して増やす余地があります。

📖 守りの銘柄について → 不況に強いディフェンシブ銘柄の選び方

まとめ

  • NISA成長投資枠の日本株183銘柄を業種別に集計(金額は非公開、構成比のみ)
  • 14セクターに分かれていたが、上位5セクターで62.4%
  • 銘柄数と金額がズレていた
    • 情報・通信は銘柄数27で最多だが、金額では6番目
    • 自動車・輸送機器は8銘柄で10.2%、サービスは15銘柄で16.3%
  • セクターの中身も1〜2銘柄に集中
    • 自動車はヤマハ発動機だけで67%
    • 食品・生活用品はライオンだけで59%
  • ただし最大セクターでも16.3%で、致命的な偏りはない
  • 結論:「何銘柄持っているか」はリスク管理の指標にならない

3回同じデータを数えて、毎回同じことに気づきました。銘柄数は安心感をくれますが、実態を表しているのは金額のほうです 🌱

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