VYMとオルカン、どっちを買う?両方持っている私が違いを比較

米国高配当ETFのVYMと、全世界株式インデックスのオルカン。よく比較されますが、実はまったく性格の違う商品です。投資対象・分配金・税金・買い方の4点で違いを整理し、両方を実際に保有している私がどう使い分けているかを公開します。


VYMとオルカン、そもそも比べるものなのか

VYMとオルカン。どちらも人気の商品で、「どっちを買えばいいのか」と検索する人は多いと思います。

ただ、先に結論を書いておくと、この2つは比べて選ぶものではありません。性格がまったく違うので、どちらか一方が正解ということはないからです。

私は両方を保有しています。VYMは米国ETFとして、オルカンはつみたて投資枠で毎月自動積立。役割が違うので、両方持つことに矛盾はありません。

この記事では、2つが具体的にどう違うのかを整理したうえで、どちらを選ぶべきか、あるいは両方持つべきかを書きます。

まず、基本的な違いを一覧で

細かい話に入る前に、全体像を並べます。

VYMオルカン
商品の種類米国のETF(上場している)投資信託(上場していない)
投資する対象米国の高配当株 約400〜500銘柄全世界の株式 約3,000銘柄前後
米国の比率100%6割前後
分配金出る(四半期ごと)出ない(内部で再投資)
買うときの通貨米ドル円
毎月の自動積立基本的にしない(手動で買う)できる(設定すれば放置)
新NISAの枠成長投資枠つみたて枠・成長枠の両方

ここから、重要な違いを4つに絞って見ていきます。

違い①:お金を「受け取る」か「増やす」か

いちばん本質的な違いがこれです。

VYMは分配金を出します。年4回、保有している口数に応じて現金が振り込まれます。受け取ったお金は、使うのも再投資するのも自由です。

オルカンは分配金を出しません。その代わり、中の配当はファンドの中で自動的に再投資されます。だから手元に現金は来ませんが、基準価額(値段)が上がっていく形で反映されます。

つまり、

  • VYM → 今からお金を受け取りたい人向け
  • オルカン → 将来の資産を最大にしたい人向け

どちらが優れているという話ではなく、お金をいつ受け取りたいかの違いです。

📖 この考え方の詳細 → 高配当株と投資信託、どっちがいい?

違い②:米国だけか、世界全体か

VYMは米国株だけです。中身はジョンソン・エンド・ジョンソンやJPモルガンといった、米国の大型高配当株が中心になります。

オルカンは全世界です。といっても中身の6割前後は米国なので、「オルカンを買えば米国にも投資している」ことになります。残りは日本、欧州、新興国などに分散されます。

ここで誤解しやすいのが、VYMとオルカンを両方買っても、米国に二重で投資することになるという点です。重複は避けられません。

ただ私は、これを問題だとは思っていません。狙っているものが違うからです。オルカンは世界全体の成長、VYMは米国企業の配当。同じ米国株でも、見ている部分が違います。

📖 オルカンの中身 → オルカン vs S&P500、結局どっち?

違い③:税金の扱いがはっきり違う

ここは見落とされがちですが、金額に直接効いてきます。

VYMの分配金には、米国で10%の源泉徴収がかかります。しかもこれは、NISA口座でも避けられません。アメリカの税金なので、日本のNISA制度ではどうにもならない部分です。

米国での課税日本での課税(NISA)
VYM10%なし
オルカン(ファンド内部で処理)なし

オルカンは分配金を出さないので、受け取る段階での課税自体が発生しません。ファンドの内部では米国の税金が引かれていますが、投資家が意識する場面はありません。

つまり、税金の面だけで見ればオルカンのほうが有利です。VYMは「現金を受け取れる代わりに、10%は必ず引かれる」と理解しておく必要があります。

📖 詳しくは → 米国ETFの分配金、二重課税と外国税額控除の話

違い④:買う手間がまったく違う

地味ですが、続けやすさを左右するのがこれです。

オルカンは、一度設定すれば自動で積み立てられます。毎月決まった日に決まった額が買われるので、やることは何もありません。円で買えるので為替を気にする必要もありません。

VYMは基本的に手動です。ドルで買う必要があり、自分のタイミングで注文します。為替レートも意識することになります。

私は実際、VYMは6株しか持っていません。買うのに手間がかかるぶん、気が向いたときにしか買っていないからです。一方オルカンは、設定してから一度も触っていないのに積み上がっています。

「手間がかからない」は、長く続けるうえでかなり強いと実感しています。

私の実際の保有状況

数字も出します。私のVYMの保有はこうです。

VYM
保有数量6株
平均取得価額116.95ドル
現在値157.68ドル
評価損益約プラス35%

率としては悪くありませんが、6株なので金額のインパクトはほとんどありません。

一方のオルカンは、つみたて投資枠で毎月自動積立。こちらのほうが積み上がっている金額は大きいです。

つまり私の場合、資産の土台はオルカン、VYMは配当を体験するための枠という位置づけになっています。「両方持っている」とは言っても、比重はまったく同じではありません。

📖 米国株の保有を全部公開 → 【保有公開】米国株8銘柄の損益を全公開

どっちを選ぶべきか

タイプ別に整理します。

オルカン1本でいい人

  • とにかく資産を増やしたい
  • 投資に手間をかけたくない
  • 配当を受け取る必要が今はない
  • これから始める初心者

迷っているなら、まずオルカンだけで問題ありません。つみたて投資枠で自動積立にしておけば、あとは放置できます。

VYMも持つといい人

  • 配当という現金収入が欲しい
  • 受け取る実感がないとモチベーションが続かない
  • オルカンの積立がすでに軌道に乗っている
  • ドルでの取引に抵抗がない

VYMは追加で持つものと考えたほうがいいと思います。最初の1本には向きません。

両方持つなら、順番がある

私自身の経験から言うと、順番が大事です。

  1. まずオルカンの自動積立を設定する(土台を作る)
  2. それが習慣になってから、VYMを少額で買ってみる
  3. 分配金を受け取ってみて、自分に合うか確かめる

逆順でやると、手間のかかるVYMで疲れてしまい、肝心の積立が後回しになりかねません。自動化できるものを先に自動化するのが、続けるコツだと思っています。

📖 VYM単体の検証 → VYMはおすすめしない?最初に買った私が、言われている理由を検証します

まとめ

  • VYMとオルカンは比べて選ぶものではなく、性格が違う商品
  • 4つの違い
    • 分配金:VYMは受け取る/オルカンは内部で再投資
    • 対象:VYMは米国100%/オルカンは全世界(米国6割前後)
    • 税金:VYMの分配金はNISAでも米国10%が引かれる/オルカンは受け取り時の課税なし
    • 手間:VYMはドルで手動/オルカンは円で自動積立
  • 税金と手間だけで見れば、オルカンのほうが有利
  • それでもVYMを持つ理由は、現金で配当を受け取れること
  • 初心者はまずオルカン1本で十分。VYMは軌道に乗ってから追加する
  • 私の実際の比重も、土台はオルカン、VYMは6株だけ

「どっちが正解か」ではなく、今お金を受け取りたいのか、将来に回したいのか。そこが決まれば、選ぶべきほうは自然と見えてきます 🌱

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