米国ETFの分配金、二重課税と外国税額控除の話|HDVの毎月分配型化も解説
VYM・SPYD・HDVなど米国ETFの分配金にかかる二重課税の仕組みと、外国税額控除での取り戻し方を実用的に解説。HDVが毎月分配型になり新NISAで買い増せなくなった件にも触れます。
米国ETFの分配金、実は二重に税金がかかっている
VYMやSPYD、HDVといった米国ETFを持っていると、定期的に分配金が振り込まれます。
ただ、口座に入ってくる金額をよく見ると、「思っていたより少ない」と感じたことはないでしょうか。
理由は、米国ETFの分配金には二重に税金がかかっているからです。
私自身、VYM・SPYD・HDVを保有していますが、この「二重課税」と、それを取り戻す「外国税額控除」の仕組みを理解しているかどうかで、手取りがけっこう変わります。実用的に解説していきます。
二重課税の仕組み
米国ETFの分配金には、2段階で税金が引かれます。
- 米国で約10%が源泉徴収される
- 残った金額に対して、日本で約20%(正確には20.315%)が課税される
つまり、分配金100ドルが出たとすると、
- 米国で10%引かれて → 90ドル
- そこに日本の約20%が課税 → 手取り約72ドル
額面の約28%が税金で消える計算です。これが「二重課税」と呼ばれる状態です。
NISA口座だとどうなる?
ここが重要なポイントです。
新NISA口座で米国ETFを持つと、日本国内の約20%は非課税になります。これは大きい。
ただし、米国で引かれる約10%は、NISAでも引かれたままです。そして、NISA口座では外国税額控除が使えません(そもそも国内非課税なので控除のしようがない)。
| 口座 | 米国課税 | 日本課税 | 外国税額控除 |
|---|---|---|---|
| 課税口座 | 約10% | 約20% | 使える(一部取り戻し) |
| NISA口座 | 約10% | 非課税 | 使えない |
整理すると、
- NISA:日本分20%がまるごと非課税。米国10%だけは残る
- 課税口座:両方かかるが、米国分の一部を確定申告で取り戻せる
どちらにしても 米国の10%は残る、というのがポイントです。
外国税額控除とは
外国税額控除は、「外国で払った税金の分、日本の税金から差し引いてくれる」制度です。
米国で源泉徴収された約10%のうち、一定額を日本の所得税・住民税から控除できます。これによって、二重課税の一部を取り戻せる、というわけです。
使えるのは「課税口座」だけ
外国税額控除が使えるのは、課税口座(特定口座・一般口座)で米国ETFを持っている場合です。
NISA口座は日本分が非課税なので、外国税額控除の対象外。課税口座で米国ETFの分配金を受け取っている人が、確定申告で取り戻す形になります。
確定申告が必要
外国税額控除を受けるには、確定申告が必要です。
- 証券会社が発行する「年間取引報告書」や「外国税額控除に関する書類」を用意
- 確定申告書の「外国税額控除」欄に記入
- 還付される(または翌年の税額が減る)
会社員でも、配当金額が大きい場合はやる価値があります。ただし、控除には上限があり、所得や外国所得の割合によって取り戻せる額が変わります。全額戻るわけではない点には注意です。
じゃあNISAと課税口座、どっちで持つべき?
私の考えはこうです。
基本はNISA優先
日本分の約20%がまるごと非課税になるインパクトは大きい。米国10%は残りますが、それでもNISAで持つほうが手取りは多いケースがほとんどです。
新NISAの成長投資枠が空いているなら、まずNISAで米国ETFを持つのが基本だと思っています。
NISA枠を使い切ったら課税口座+外国税額控除
NISA枠を埋めてしまって、それでも米国ETFを買いたい場合は、課税口座で買って外国税額控除を活用する。確定申告の手間はありますが、二重課税の一部は取り戻せます。
HDVが毎月分配型に変わった話
ここで、私の保有銘柄にまつわる最近の変化にも触れておきます。
私が持っている HDV は、毎月分配型に変わりました。これにより、新NISAでは追加で買えなくなったんです。
新NISAの対象商品からは、毎月分配型は除外される扱いです。HDVが毎月分配型に移行したことで、NISA成長投資枠での新規買い付けができなくなりました。
すでに持っている分はどうする?
私の場合、すでにNISAで保有している分はそのまま持ち続けます。
- 既存の保有分が強制的に売られるわけではない
- 分配金は引き続き受け取れる
- ただし、買い増しはNISAではできない
なので、HDVを買い増したい場合は、課税口座で買うことになります。その際は外国税額控除の対象になります。
「毎月分配型」と聞くとタコ足配当(元本を取り崩す)を連想して身構える人もいますが、HDVは中身が高配当株のETFなので、いわゆる悪質なタコ足とは性質が違います。とはいえ、NISAで買い増せなくなったのは、高配当ETF投資家にとっては地味に痛い変更でした。
まとめ
- 米国ETFの分配金は 米国で約10%+日本で約20% の二重課税
- NISA口座:日本分20%は非課税。米国10%は残る(外国税額控除は使えない)
- 課税口座:両方かかるが、外国税額控除で米国分の一部を確定申告で取り戻せる
- 基本は NISA優先、枠を使い切ったら課税口座+外国税額控除
- HDVは毎月分配型に変わり、新NISAでは買い増せなくなった(保有分は継続OK)
税金の話は地味ですが、知っているかどうかで手取りが変わります。米国ETFで配当を受け取るなら、二重課税と外国税額控除の仕組みは押さえておいて損はありません 🌱
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