米国ETFの為替リスク、本当に怖い?10年のドル円推移で検証
米国ETFを買いたいけど「為替リスクが怖い」と迷っている人へ。VYM・SPYD・HDVを保有する私が、過去10年のドル円推移をもとに、為替リスクが実際どれくらい影響するのかを検証します。
「為替リスクが怖くて米国ETFを買えない」人へ
「米国ETFは魅力的だけど、為替リスクが怖くて手が出せない」
これは投資初心者からよく聞く声です。私も最初はそうでした。
「ドルで運用するなら、円高になったら大損するんじゃないか?」「為替の動きなんて読めないし、リスクが高い気がする」——こんな漠然とした不安で、米国ETFを敬遠してしまう。
でも、結論から言うと、長期投資なら為替リスクを過度に恐れる必要はありません。
私は実際に VYM・SPYD・HDV を保有していますが、過去10年の為替推移を振り返ると、為替リスクは「思っていたほど怖くない」というのが正直な感想です。
この記事では、為替リスクの仕組みと、過去10年のデータで「本当のところ」を検証していきます。
為替リスクって、そもそも何?
米国ETFを買うと、その資産は ドル建てで運用されます。
つまり、
- 円高(1ドル=100円 など)になると → 円換算の評価額が減る
- 円安(1ドル=160円 など)になると → 円換算の評価額が増える
「米国株自体は上がっているのに、円換算で見ると損している」「米国株が下がっても、円安で相殺された」——こういうことが起きます。
これが 為替リスクです。
過去10年のドル円推移を振り返る
「為替リスク」と言われても、ピンとこないと思います。実際の数字で見てみます。
| 年 | ドル円(年平均の目安) |
|---|---|
| 2016年 | 約 109円 |
| 2017年 | 約 112円 |
| 2018年 | 約 110円 |
| 2019年 | 約 109円 |
| 2020年 | 約 107円 |
| 2021年 | 約 110円 |
| 2022年 | 約 131円 |
| 2023年 | 約 140円 |
| 2024年 | 約 151円 |
| 2025年 | 約 150円台 |
10年前と比べて、ドル円は約110円 → 約150円へ。
つまり、ここ10年で見ると、円安が進んだ期間でした。米国ETFを10年前から持っていた人は、為替差益でむしろプラスだったということになります。
為替リスクが実際どれくらい影響するか
シミュレーションしてみます。
ケース1:10年前にVYMを100万円分買っていた場合
- 2016年に100万円で購入(当時1ドル=110円なので、約9,090ドル)
- 2025年時点でVYMの株価は約2倍に上昇(仮定)
- ドル建て評価額:約18,180ドル
- 1ドル=150円で円換算:約272万円
ドル建てだけで見ると約2倍、円換算では 約2.7倍になっています。為替が円安方向に動いたことで、リターンがさらに増幅された。
ケース2:逆に円高になっていたら?
- 仮に2025年時点で1ドル=90円(円高)だったら?
- 円換算:18,180ドル × 90円 = 約164万円
ドル建ては約2倍でも、円高でリターンが圧縮される。それでも元本100万円は割らない。
結論:株価上昇 vs 為替変動
ここで大事なのは、長期投資では「株価の上昇」のほうが「為替の変動」よりインパクトが大きいということ。
過去10年でS&P500は約2.5〜3倍になっています。仮に為替が30%円高に振れても、株価上昇分でカバーできる計算です。
為替リスクを和らげる3つの方法
「それでも為替が気になる」という人向けに、リスクを和らげる工夫を3つ書きます。
① ドルコスト平均法(時間分散)
毎月一定額を買い続けることで、購入時の為替レートを平均化します。
円安のときは少なく、円高のときは多く買えるので、為替の振れを均す効果があります。これが長期投資で為替リスクを抑える基本戦略です。
② オルカンとの併用
オルカン(全世界株式インデックス)は、内部に 米国株・日本株・欧州株・新興国株が含まれています。日本株が含まれることで、完全に「ドル建て」ではなくなる。
「米国ETFと併用すれば、為替依存度を下げられる**」という発想です。
③ 楽天SCHD・楽天VYMという選択肢
最近は、米国の高配当ETFを投資信託の形で買える商品が登場しています。
- 楽天SCHD
- 楽天VYM
- 楽天オルカン
これらは円建てで買えるので、ドル転の手間がない。実質的には米国ETFと同じ動きをします。
「為替の管理が面倒」という人なら、円建ての投資信託を活用するのも選択肢です。
私の保有している米国ETFと為替の付き合い方
私は VYM・SPYD・HDV などの米国ETFを保有しています。
為替について意識していることは、
① 為替予測はしない
「ドル円がいくらになるか」を予測する人がいますが、プロでも当てられません。私は予測しません。
「今は円安だから買い控えよう」と何年も待っていると、機会損失のほうが大きくなります。為替を予測せずに、淡々と積み立てるのが私のスタイルです。
② 為替が動いても焦らない
円高になっても、それは米国株を安く買えるチャンスでもあります。「円高だから損した」ではなく、「ドル建て資産を安く積み増せる」と前向きに捉える。
③ 長期前提で考える
短期的には為替の影響が大きく見えますが、10年単位で見ると株価上昇のほうが圧倒的にインパクトが大きい。短期の値動きに振り回されないようにしています。
まとめ
- 米国ETFの為替リスクは、長期投資なら過度に恐れる必要なし
- 過去10年は円安方向に進んだので、為替差益でプラスになった人が多い
- 仮に円高に振れても、株価上昇分でカバーできる範囲
- リスクを和らげるには ドルコスト平均法・オルカン併用・円建て投資信託
- 為替予測ではなく、淡々と積み立てるのが正解
「為替リスクが怖い」という理由で米国ETFを敬遠していると、世界トップクラスの優良企業に投資する機会を逃します。
リスクをゼロにはできませんが、理解して付き合うことはできる。長期投資の前提で考えれば、為替リスクは「想定の範囲内」で済む話だと、保有してきた経験から実感しています 🌱